失敗しないマンション大規模修繕!業者選びの重要ポイント5選

getfat | 11月 17th, 2025


マンションの資産価値を維持し、住民が安全で快適な生活を送り続けるために、10年~15年に一度行われる「大規模修繕工事」。
これは、マンション管理組合にとって最大のイベントであり、数千万円から時には数億円もの修繕積立金が動く一大プロジェクトです。

このプロジェクトの成否を分ける最大の要因、それが「施工業者の選定」です。

信頼できる業者を選べば、工事の品質が確保され、建物の寿命が延び、結果的にマンションの資産価値は向上します。
しかし、もし業者選びを誤れば、手抜き工事による施工不良、想定外の追加費用の発生、住民とのトラブルなど、数々の問題に見舞われることになりかねません。

この記事では、大規模修繕を初めて経験する理事会役員や修繕委員の方々が、後悔しない業者選びを実現できるよう、絶対に押さえるべき5つの重要ポイントを、専門家の視点から徹底的に解説します。
大切な資産であるマンションの未来を守るため、最適なパートナーを見つける旅を始めましょう。

目次

失敗しない!大規模修繕の業者選び重要ポイント5選

数多くの施工業者の中から、本当に信頼できる一社を見つけ出すのは簡単なことではありません。
しかし、これから紹介する5つのポイントを一つひとつ丁寧に確認することで、失敗のリスクを大幅に減らすことができます。

ポイント1:実績と専門性 -「何を」「どれだけ」やってきたか?

まず最初に確認すべきは、その業者が持つ「実績」と「専門性」です。
価格の安さや営業担当者の人柄だけで判断するのではなく、客観的な事実に基づいて評価することが重要です。

同規模・同構造のマンションでの施工実績

「大規模修繕の実績が豊富」と謳っていても、その中身を詳しく見る必要があります。
例えば、5階建て50戸のマンションと、20階建て200戸のタワーマンションでは、求められる技術やノウハウが全く異なります。

自分たちのマンションと似た規模(戸数や階数)、構造(RC造、SRC造など)、築年数の施工実績が豊富にあるかを確認しましょう。
信頼できる業者であれば、ホームページで過去の施工事例を公開しているはずです。 もし掲載がなければ、直接問い合わせて具体的な事例を提示してもらいましょう。

元請けとしての施工実績の重要性

建設業界では、工事全体を統括する「元請け」と、その一部を請け負う「下請け」が存在します。
業者選びの際は、「元請け」として大規模修繕工事を完遂した実績がどれだけあるかを確認することが極めて重要です。

元請け業者は、工事全体の品質管理、工程管理、安全管理、そして住民対応まで、すべての責任を負います。
下請けとしての実績が豊富でも、元請けとしての経験が乏しい業者では、プロジェクト全体を円滑に進める能力に不安が残ります。

担当者の専門知識とコミュニケーション能力

実際に工事が始まると、窓口となるのはその会社の担当者です。
会社の規模や実績が立派でも、担当者の知識や経験が不足していては意味がありません。

最初の打ち合わせの段階で、以下の点を確認しましょう。

  • こちらの質問に対して、専門用語を多用せず、分かりやすく丁寧に説明してくれるか。
  • 建物の劣化状況や課題について、的確な見解を示せるか。
  • 住民の不安や要望を汲み取り、真摯に対応しようとする姿勢があるか。

担当者との相性やコミュニケーションの取りやすさも、長い工事期間を乗り切るためには欠かせない要素です。

ポイント2:経営状況の健全性 – 長い付き合いのパートナーとして信頼できるか?

大規模修繕工事は、完了すれば終わりではありません。
工事後も数年間にわたる保証期間があり、定期的な点検などのアフターフォローが続きます。
万が一、工事完了後に施工業者が倒産してしまっては、保証を受けられなくなるリスクがあります。
だからこそ、長期的なパートナーとして信頼できる「経営の健全性」の確認が不可欠です。

「建設業許可」と「経営事項審査」の確認は必須

まず、大前提として「建設業許可」を得ている業者でなければなりません。 これは法律で定められた義務であり、許可がない業者は論外です。

さらに、客観的な経営状況を把握するために「経営事項審査(経審)」の結果を確認しましょう。
経審とは、公共工事への入札参加を希望する建設業者が受ける審査で、企業の経営状況、技術力、社会性などが総合的に評価され、点数化されます。
この結果は、一般財団法人建設業情報管理センター(CIIC)のウェブサイトで誰でも無料で閲覧できます。

経審を受けていること自体が、経営の透明性に対する意識の高さを示しており、総合評定値(P点)が高ければ、それだけ安定した経営基盤を持つ業者であると判断できます。

財務状況を客観的にチェックする方法

経審の結果に加えて、可能であれば以下の資料を提出してもらい、財務状況を確認しましょう。

  • 会社概要・沿革: 設立年数や事業内容から、企業の安定性を測ります。
  • 財務諸表(貸借対照表、損益計算書): 過去3期分程度を確認し、自己資本比率や利益率の推移を見ることで、経営の安定性が分かります。専門的な内容で難しい場合は、専門家(マンション管理士やコンサルタント)に分析を依頼するのも一つの手です。

ポイント3:見積もりの透明性と妥当性 – 金額の裏側まで見抜く

業者選定において、最も関心が高いのが「費用」でしょう。
しかし、単純な金額の比較だけで業者を決めると、大きな失敗につながる可能性があります。 見積書は、その業者の姿勢や技術力を映し出す鏡です。

「一式」見積もりの危険性

見積書を確認する際、「〇〇工事一式」という表記が多い場合は注意が必要です。
この表記は、工事の具体的な内容や数量、単価が不明瞭であり、後から「これは含まれていない」として追加費用を請求されるトラブルの原因になりがちです。

信頼できる業者の見積書は、以下のように項目が細分化されています。

  • 工事項目: 外壁塗装、屋上防水、鉄部塗装など
  • 数量: 塗装面積(㎡)、シーリング長(m)など
  • 単価: 1㎡あたりの材料費・人件費など
  • 金額: 数量 × 単価

各項目が明確に記載されていることで、工事内容の妥当性や金額の比較がしやすくなります。

相見積もりで比較すべき項目

業者選定の透明性を確保し、適正価格を把握するために、必ず3社以上から相見積もりを取りましょう。
その際、各社に同じ条件(共通の仕様書)を提示することが重要です。 これにより、純粋な価格と提案内容の比較が可能になります。

見積書を比較する際は、総額だけでなく以下の点もチェックしてください。

比較項目チェックポイント
工事範囲と仕様各社で工事の範囲や使用する材料のグレードに違いはないか?
単価と数量特定の項目の単価が極端に高かったり、数量が大きく異なったりしないか?
諸経費の内訳現場管理費や一般管理費などの諸経費は妥当な範囲か?
保証内容と期間工事箇所ごとの保証年数は明確か?アフターサービスの内容は?

安すぎる見積もりに潜むリスク

「費用を少しでも抑えたい」という気持ちは当然ですが、相場より極端に安い見積もりには注意が必要です。
安さの裏には、以下のようなリスクが隠れている可能性があります。

  • 必要な工程を省く、または手抜き工事を行う
  • 品質の低い材料を使用する
  • 経験の浅い作業員を現場に配置する
  • 後から高額な追加工事を請求する

安易に価格だけで判断せず、「なぜこの価格で実現できるのか」という根拠をしっかりと確認することが重要です。

ポイント4:技術力と現場管理体制 – 住民の生活を守る力

大規模修繕は、住民が生活している中で行われる特殊な工事です。
そのため、高い施工技術はもちろんのこと、安全管理や住民への配慮を徹底できる現場管理体制が求められます。

現場代理人や主任技術者の資格と経験

工事現場の責任者である「現場代理人」「主任技術者」が、どのような人物かは非常に重要です。
契約前に、現場を担当する予定の技術者の経歴書や資格証明書の提出を求め、以下の点を確認しましょう。

  • 保有資格: 1級建築施工管理技士、1級建築士などの国家資格を保有しているか。
  • 経験: 大規模修繕工事の現場代理人としての経験は豊富か。
  • 人柄: ヒアリング(面談)の機会を設け、コミュニケーション能力や誠実さを確認する。

工事の品質は、現場責任者の能力に大きく左右されると言っても過言ではありません。

安全管理と住民への配慮

工事期間中、住民の安全を確保し、生活への影響を最小限に抑えるための体制が整っているかを確認します。

  • 安全計画: 足場の設置、資材の搬入・搬出、作業員の安全教育など、具体的な安全管理計画が策定されているか。
  • 住民への情報提供: 工事の進捗状況、洗濯物干しの制限、騒音や臭いが発生する作業の事前告知など、住民への情報伝達方法が明確か。
  • プライバシー保護: バルコニーでの作業時など、住民のプライバシーに配慮した対策が取られているか。

これらの配慮が欠けていると、住民からのクレームが多発し、工事が円滑に進まなくなる可能性があります。

ポイント5:保証とアフターサービス – 工事完了後からが本当の始まり

工事が無事に完了しても、それで終わりではありません。
万が一、工事後に不具合(瑕疵)が見つかった場合に備え、保証とアフターサービスの体制を必ず確認しましょう。

工事保証の内容と期間を確認

施工業者からは、工事箇所ごとに独自の「工事保証書」が発行されます。
契約前に、以下の内容を明確にしておく必要があります。

  • 保証対象: どの工事が保証の対象となるのか。
  • 保証期間: 外壁塗装は10年、防水は10年など、部位ごとの保証期間。
  • 保証内容: どのような不具合が発生した場合に、無償で補修してもらえるのか。

保証内容が曖昧なまま契約すると、いざという時に「これは保証対象外です」と言われてしまう可能性があります。

「大規模修繕工事瑕疵保険」への加入

業者の独自保証に加えて、第三者機関による「大規模修繕工事瑕疵(かし)保険」への加入を検討することをおすすめします。
これは、工事完了後に瑕疵が見つかった場合、その補修費用が保険金で支払われる制度です。

この保険に加入する最大のメリットは、万が一施工業者が倒産してしまった場合でも、管理組合が直接保険法人に保険金を請求できる点です。
また、保険に加入するためには、工事中に行われる保険法人の現場検査に合格する必要があるため、工事の品質確保にも繋がります。
保険加入は施工業者が行いますが、その費用は発注者(管理組合)が負担するのが一般的です。大切な修繕積立金を守るための「安心料」として、積極的に活用を検討しましょう。

どの方式で選ぶ?業者選定の3つの進め方とメリット・デメリット

信頼できる業者を選ぶためのポイントを理解したところで、次に「どのように業者を選定していくか」という具体的な進め方について解説します。
主な選定方式は3つあり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。マンションの状況や管理組合の方針に合わせて最適な方式を選びましょう。

1. 管理会社主導方式(責任施工方式)- 手間は少ないが注意も必要

日常の管理業務を委託している管理会社に、施工業者の選定から工事監理までを一括して任せる方式です。

  • メリット:
    • 管理組合の役員の負担が大幅に軽減される。
    • マンションのことをよく知る管理会社が窓口になるため、話がスムーズに進みやすい。
  • デメリット:
    • 管理会社が紹介する特定の業者(関連会社など)に決まりやすく、競争原理が働きにくいため、工事費が割高になる傾向がある。
    • 工事のチェック(監理)も管理会社が行うため、第三者の視点での厳しい品質チェックが期待しにくい。
    • 管理会社と施工業者の間に不透明な関係(バックマージンなど)が存在するリスクもゼロではない。

【こんなマンションにおすすめ】

  • 理事会役員のなり手が少なく、大規模修繕にあまり時間を割けない。
  • 長年の付き合いがあり、管理会社を全面的に信頼している。

2. 設計監理方式 – 専門家(コンサルタント)と二人三脚で進める

管理組合が、設計事務所などの第三者の専門家(コンサルタント)と契約し、そのコンサルタントのサポートを受けながら業者選定や工事監理を進める方式です。

コンサルタントは、建物の劣化診断、修繕設計、仕様書の作成、施工業者の公募・選定補助、そして工事が設計通りに行われているかのチェック(工事監理)まで、専門的な知識で管理組合をサポートします。

  • メリット:
    • 専門家の視点で最適な修繕計画を立てられる。
    • 公募などで複数の業者から見積もりを取るため、競争原理が働き、工事費の適正化が期待できる。
    • 第三者の厳しい目で工事が監理されるため、施工品質が高まる。
    • 管理組合の負担を軽減しつつ、透明性の高いプロセスを実現できる。
  • デメリット:
    • 工事費とは別に、コンサルタントへの委託費用が発生する。
    • 信頼できる優秀なコンサルタントを見つける必要がある。

【こんなマンションにおすすめ】

  • 工事の品質や価格の透明性を最優先したい。
  • 管理組合内に建築の専門家がいない。
  • 管理会社任せにせず、主体的に大規模修繕を進めたい。

信頼できるコンサルタントを選ぶ際には、これまでの実績や担当者の専門性に加え、実際にその会社を利用した人の評価を参考にすることも有効です。

例えば、大規模修繕コンサルティングを専門に行う株式会社T.D.Sの口コミ・評判などを確認し、第三者の客観的な意見を判断材料の一つに加えるのも良いでしょう。

3. 見積合わせ(相見積もり)方式 – 透明性を重視するなら

管理組合が主体となり、複数の施工業者を直接選定し、同じ条件で見積もりを依頼して比較検討する方式です。

  • メリット:
    • 複数の業者を直接比較できるため、価格や提案内容の妥当性を判断しやすい。
    • コンサルタント費用がかからないため、コストを抑えられる可能性がある。
  • デメリット:
    • 見積もりの条件となる仕様書を管理組合で作成する必要があり、専門知識が求められる。
    • 各社から提出された見積書や技術提案を、専門知識なしで正しく評価するのが難しい。
    • 業者選定から工事監理まで、すべてを管理組合で行うため、役員の負担が非常に大きい。

【こんなマンションにおすすめ】

  • 管理組合の役員に建築関係の専門家がいる。
  • 小規模なマンションで、工事内容が比較的シンプル。

私たちのマンションに最適な方式は?

近年、工事の透明性や品質確保の観点から「設計監理方式」を採用する管理組合が増加傾向にあります。
専門家であるコンサルタントをパートナーに迎えることで、管理組合の負担を減らしながら、価格と品質の両面で最適な大規模修繕を実現しやすくなるためです。
どの方式を選ぶか迷った場合は、まず複数のコンサルタントに相談してみることから始めるのも良いでしょう。

業者選びでよくある質問(Q&A)

最後に、業者選びの過程で多くの管理組合が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。

Q1. 何社くらいから見積もりを取れば良いですか?

A1. 3社~5社程度が一般的です。

少なすぎると比較検討が不十分になり、多すぎると各社への対応や見積書の精査に膨大な時間がかかり、理事会の負担が大きくなってしまいます。
公募などで10社以上の応募があった場合でも、書類選考で実績などを評価し、3~5社程度に絞り込んでから現地調査や見積もりを依頼するのが効率的です。

Q2. 管理会社に紹介された業者なら安心ですか?

A2. 必ずしもそうとは限りません。

管理会社が紹介する業者は、そのマンションのことをよく理解しているというメリットはあります。
しかし、前述の通り、競争原理が働かず工事費が割高になったり、チェック機能が甘くなったりする可能性があります。
紹介された業者を候補の一つとしつつも、必ず他の業者からも見積もりを取り、客観的に比較検討することが重要です。

Q3. 費用が一番安い業者に決めても問題ないですか?

A3. 価格だけで決めるのは非常に危険です。

相場よりも著しく安い価格には、手抜き工事や低品質な材料の使用、必要な工事項目の欠落といったリスクが潜んでいる可能性があります。
見積もりを比較する際は、総額だけでなく、工事の仕様、使用材料のグレード、保証内容などを総合的に評価し、なぜその価格が実現できるのかを納得できるまで確認してください。

Q4. 契約前に必ず確認すべきことは何ですか?

A4. 以下の項目は、契約書を交わす前に必ず書面で確認してください。

  • 最終的な見積書: すべての工事項目と金額が明記されているか。
  • 工事請負契約書・契約約款: 工期、支払い条件、遅延した場合の規定、瑕疵担保責任(契約不適合責任)などが明確か。
  • 工事仕様書: 使用する材料のメーカー名や製品名まで具体的に記載されているか。
  • 工程表: 工事全体のスケジュールが現実的か。
  • 保証書(サンプル): 部位ごとの保証期間と保証内容。
  • 瑕疵保険への加入の有無: 加入する場合は、その手続きについて。

少しでも疑問や不明な点があれば、決して曖昧なままにせず、業者の担当者に説明を求め、納得した上で契約を結ぶようにしましょう。

まとめ:最適なパートナー選びで、マンションの未来を創造する

大規模修繕工事は、単に建物を修繕するだけの工事ではありません。
それは、住民の大切な資産を守り、未来の快適な暮らしを創造するための重要なプロジェクトです。
そして、その成功の鍵を握るのが、信頼できる施工業者という「パートナー」選びに他なりません。

今回ご紹介した5つの重要ポイント、

  1. 実績と専門性
  2. 経営状況の健全性
  3. 見積もりの透明性と妥当性
  4. 技術力と現場管理体制
  5. 保証とアフターサービス

これらを羅針盤として、じっくりと時間をかけて業者選定に取り組んでください。
時には専門家の力も借りながら、管理組合、そして住民全員が納得できる最適なパートナーを見つけ出し、マンションの資産価値を未来へとつなぐ大規模修繕を実現させましょう。

最終更新日 2025年12月10日 by getfat

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